小林収さんへの追悼メッセージ
小林収ヒストリー
日経ビジネス
「日本型経営」改造ビジョン
TBSラジオ「森本毅郎スタンバイ!」
トップに戻る
 

日経MJ

『風のように』
「MJ部長のコラム」
書籍「成毛式実践マーケティング塾」 前書き 後書き
日経MJのウェブサイトへ

「MJ部長のコラム」(日経MJメールマガジンより)2002.2.6
■小林収

「NYでダボス会議?」

 世界の政治経済界のリーダーたちが年に1回、一堂に会して議論する「世界経済フォーラム(WEF)」が今年も始まりました。

 大規模テロの後とあって、関心も高いでしょうが、過去2年間、WEFに招待いただいた僕としては、ちょっと違和感があるのですね。

 それは場所が「ダボス」ではない、というこの一点です。
 ダボスは欧州アルプスの中に隔絶された冬のリゾート地。
チューリッヒから2両連結の可愛い登山列車で2時間かかります。
 WEFの開催中は、街のホテルは゛木賃宿"のようなものも含めてすべて満杯。招待客はともかく、急な参加希望者や゛お付き"はホテルの手配だけで一苦労です。

 そして会議中は朝・昼・夜の食事をはさんでのミーティングなど、さまざまな分科会が用意され、議論がはずみます。単なるVIPが集まるフォーラムならもう珍しくありませんが、ダボスという一種の閉鎖空間、その中で各界のVIPが文字どおりface−to−faceで意見交換し、人的ネットワークを拡げられる。これが他のどこにもないダボスの魅力です。

 WEFをニューヨークでという決定が9月11日のテロを受けてなされたのには理由があります。
 テロが敵視しているグローバル資本主義という考え方は、ダボス会議がいわばオピニオンリーダーとして打ち出してきたものですし、実際、昨年、一昨年は反グローバル主義者の団体がダボスへも抗議に押し寄せました。

 しかも、テロのあとの航空不況です。WEFをニューヨークでやれば観光客も増えるし、反テロへのメッセージにもなる、一石二鳥です。
 その意味では、今回の決定は間違いなく正しいのでしょう。

 それはそれとして、僕個人としては、今年はあのダボスではないんだなー、という淋しさは感じます。料理・飲食の世界にもあの時期に、あの店で、あの品を、という強いこだわりを感じさせる部分があります。ダボスというのは、国際会議で「おもてなし」を演じてきた珍しい存在だったんだと改めて思うのです。
 



このサイト上の各コンテンツの著作権は小林収メモリアルサイト制作グループもしくは、このサイトにコンテンツを提供していただいた各企業、各寄稿者に帰属します。無断転載はお断りいたします。
Copyright: 2002 Kobayashi Osamu Memorial, associated companies and writersAll Rights Reserved.

このサイトに関するお問い合わせはinfo@kobayashiosamu.net までお願いいたします。

Designed by BlueBeagle LLC