2000年12月〜02月
1999年 3月〜5月|6月〜8月|9月〜11月|12月〜00年2月
2000年 3月〜5月|6月〜8月|9月〜11月|12月〜01年2月
2000年12月4日号
どうした!?ヤマト運輸
成功のジレンマに悩む革新集団
森政権に対する今回の不信任劇で主舞台となったのはテレビでした。決議案提出の前日の19日、加藤紘一元幹事長は朝から各局のテレビ番組に相次いで生出演し、現政権の関係者らとの議論まで見せました。こうしたテレポリティックス(テレビ+ポリティックス=政治)の当否はともかく、それが政局を大きく揺るがし、世間の関心を高めたことは事実です。
そのテレポリティックスの代表的な仕掛け人と言えるのが田原総一朗氏でしょう。今回は氏に緊急インタビューを試み、不信任劇の裏とテレビの役割について聞いてみました。
2000年12月11日号
ヒット商品の法則
2000年ランキングから分かる21世紀の売れ筋大予想
野手で日本人初の大リーガーとなったイチローのバッティングのコツは、「当てるのではなく、強く振ること」だそうです。プロゴルファーのタイガー・ウッズも「大きなスイング」をモットーにしています。
企業の新製品開発も、同様ではないでしょうか。消費不振の時代にはどうしてもヒット狙いにいきますが、「ボールに当てる」ことを意識すればするほど、振りは弱く小さくなり、結果が出ません。今号の特集では、2000年のヒット商品番付から「正しいスイング」を考えました。
2000年12月18日・25日号
iは日本を救えるか
独り勝ちドコモに3つの幻想
ミレニアムと騒がれた西暦2000年は、やはり事件の多い年でした。前号、今号の読者が選ぶ重大ニュースから見えるのは「不祥事」の多発です。歴史の節目には既存秩序が壊れるのかもしれません。舞台は雪印乳業、そごうなど企業から警察、病院、学校といった社会インフラに及び、失言・不祥事が続いた政治の世界は最後、“内乱”まがいの劇で幕を閉じました。
もう勘弁してくれ、というのが読者の強い声でしょう。不祥事から日本は再生できるか。あと2週間で我々は21世紀を迎えます。
2001年1月1日号
世界1000社番付
勝ち残る会社
2001年1月1日――。まさに21世紀の幕開けを飾る今号で、我々はキャッシュフローによる世界企業番付を特集することにしました。
雑誌による企業ランキングとして最も有名なのは、売上高をベースにした、米「フォーチュン」誌の「フォーチュン500」でしょう。米国ではその言葉が大企業の代名詞になっているほど人口に膾炙しています。ただ、売り上げでランキングすること自体、やや時代遅れの感は否めません。
これに対し、米「ビジネスウィーク」誌の「グローバル1000」は株式時価総額によるランキングです。株価は一種の総合指標ですから、売上高比較よりはずっと意味があるとはいえ、難点は変動が大きいことです。特に2000年のようにネットバブルとその崩壊が起こった年には、いつの時点を取るかで順位が全く変わってしまいます。といって複数の指標を組み合わせた総合ランキングでは、どこかに恣意性が出るのが避けられません。
キャッシュフロー番付の意味については特集に譲るとして、日本企業に関して、2つ感想を持ちました。
1つは日本勢の相対的な地盤低下です。業種別で見ると、日本では“横綱”でも世界では“関脇”か下手をすると“前頭”といったケースが少なくありません。国内では超優良のイメージがある武田薬品工業や花王、イトーヨーカ堂などがそうです。また、みずほフィナンシャルグループや「住友化学工業+三井化学」のように、統合・合併してようやく世界市場で戦える土俵にのった、というところもあります。
もう1つは規制業種の多さです。業種別で日本がトップになった数少ない例が「通信」のNTTと「公益事業」の東京電力でした。キャッシュフロー番付の上位100位に入った日本企業15社は過半の8社が、電力、通信、鉄道という規制業種で占められています。これらの企業は、番付は上位とはいえ、いわば脂肪太りの相撲取りのようなもの。スピードが重要な今の時代についていけるか、かなり疑問です。
その意味でも、日本企業はさらにシェイプアップし、筋力を鍛え、俊敏でパワフルな体質に転換しなければなりません。我々はこれから毎年、このキャッシュフローによる「世界千(1000)社番付」を続けていきたいと考えています。21世紀に日本から真の横綱が出てくることを期待しながら。
2001年1月8日号
どうなる!?日本の小売り
外資と異端が促す流通下克上
年が変わりました。謹賀新年、と同時に、謹賀新世紀でもあります。この節目にあたって、弊誌では2001年1月8日号から、幾つかの連載企画などをスタートさせることにしました。
1つは「21世紀のエジソンたち」です。ITやバイオが新世紀をリードすることは自明ですが、数字や図式をいくら並べても先端技術のイメージはなかなか浮かびません。そこで、実際にフロンティアを切り開いている現場の研究者に焦点を当て、ヒトから技術を浮き彫りにしようという試みです。
次の「21世紀のあなた」もヒトから攻める点では同じです。バブル世代、中高年、女性といった様々な階層の個人の視点から、壊れつつある日本的システムを照射していきます。
同時に「小さなトップ企業」も、今号は頑張る中堅・中小企業のオーナー経営者の信念と奮闘ぶりを示す“特番”にし、「e革命の波」でも技術やビジネスモデルよりもヒトに焦点を当てたシリーズを展開します。
21世紀は個人の時代、と言われています。マクロ経済から企業経営まで、これまで以上に個々のヒトの存在感が高まってくるでしょう。日経ビジネスは行間から人間の顔が見えてくるような雑誌を目指します。
2001年1月15日号
大東亜厚底共栄圏
21世紀 アジアはこんなに近い
11月27日号の特集「中国は世界の工場」はお陰様で、予想以上の反響をいただきました。そして同時に多くの方から、「では、日本はどうすればいいのか」と聞かれました。
中国特集班のメンバーをほぼそのままアジアに回らせて出した答えの1つが、今回の「大東亜“厚底”共栄圏」です。かつての米国のコカ・コーラやハリウッド映画のごとく、政治家や官僚が知らないうちに、日本のソフトパワーがアジアを席巻しつつあります。米国にもマケズ、中国にもマケズ。日本が世界に伍していくにはこのパワーを生かすしかありません。
2001年1月22日号
日本を襲うリゾート破綻
粗製濫造のツケが自治体を滅ぼす
日本が21世紀に残してしまった負の遺産。その最たる物の1つが全国各地のリゾート開発でしょう。森を切り、海を埋め立てて自然を痛めた結果が、赤字の垂れ流しです。といって、それに代わる地域振興策は、おいそれとは見つかりません。工場の海外進出には歯止めがかからず、地域社会は人口の減少と高齢化に悩まされています。
悪かったのは、リゾートという発想自体ではなく「箱物」に頼るやり方だったのです。特集で紹介した復活例、成功例に倣ってリゾートを蘇生させることができれば、地方経済に明るさが出てくるかもしれません。
2001年1月29日号
すかれる会社、嫌われる会社
分かれ目は買った後の安心
昨年に日経ビジネスが行ったランキング調査で、「生データが欲しい」という声が一番多かったのは、「アフターサービスランキング」(2月14日号)かもしれません。商品販売においては顧客満足(CS)が決定的に重要とされながら、CSを左右するアフターサービスに関する横断的な調査がほとんどなかったからでしょう。
今号の特集でわかったのは、アフターサービスに対する消費者の関心が昨年よりさらに高まっていることです。メーカーが「売りっぱなしの罪」に早く気付かないと、怒れる消費者から糾弾されるのは必至です。
2001年2月5日号
消費解凍
「買わない世代」の動かし方
編集長インタビューで「連載」というのは珍しいのですが、今号から3回連続で「御意見番に聞く」を始めることにしました。テーマは最初が「教育」、次が「福祉」、最後に「医療」です。
いずれも日本にとって21世紀の大きな課題ですが、それだけに甲論乙駁、百家争鳴、なかなか結論は出ません。そこで、各分野の大御所で、しかも現場に精通した御意見番にインタビューして、議論を整理していこうというのが狙いです。西澤潤一・岩手県立大学長に続いて小倉昌男・ヤマト福祉財団理事長、日野原重明・聖路加国際病院理事長にご登場願います。
2001年2月12日号
技術立国再生への先兵
ホンダの突き抜ける力
恒例のダボス会議に今年も参加しました。国内報道は森首相など政治家の言説が中心でしたが、民間組が善戦したのが特徴だと思います。分科会のパネルでは常連のソニー・出井、東芝・西室両会長のほか、初参加の日産・ゴーン社長が存在感を発揮。ソフトバンクの孫社長も各国のベンチャー経営者と並ぶと生き生きします。世界から賓客を招くジャパンディナーでは、一橋大学の竹内教授が当意即妙の好司会を見せ、三菱商事の槙原会長がウイットに富んだ挨拶で締めました。国際舞台で通用する日本人が着実に増えている感じがします。
2001年2月19日号
「中抜き」に負けるな
IT時代、卸400万人の生き残り方
インターネットの発達は、中長期ではともかく、短期では雇用にマイナスに働く。そんな気が非常に強くしています。ネットは情報を速く、安く伝える情報流通の革命ですから、卸のような中間流通業者、あるいは企業の中間管理職のような「介在者」は何か付加価値をつけない限り、排除されていく運命にあります。ビジネスウィーク誌は、米GEがネット化で浮いてくる間接人員7万5000人のリストラに乗り出すと伝えました。「中抜き」にどう対応するか。今特集のテーマは、単に卸業者だけでなくビジネスマン全員にとって切実な問題です。
2001年2月26日号
「政治三流」との決別
永田町を変える7つの方法
「経済一流・政治三流」という言葉は、ある意味で経済人のプライドを示していました。政治に問題があっても経済力でカバーできる、と。しかし、もはや「政治三流」では経済も再生しない段階に来たようです。そんな思いを今回の特集に託してみました。
なお、この3月の人事異動で小生と副編集長の篠原、編集委員の塩田、記者の中村、小栗の計5名は日経新聞本社の方に戻ります。編集長として丸2年間、ありがとうございました。小生の後任は野村裕知。ニューヨークとロスに駐在し、IT取材の経験が豊富です。よろしくお願いします。
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